耳・鼻・喉の病気の前兆&病院の検査ガイド

耳・鼻・のどの病気の前兆(兆候・予兆・サイン)

●耳の病気
 □最近、耳鳴りがするようになった
 □以前から耳鳴りや難聴があるが、徐々に悪化してきている
 □家族や周囲の人達から耳が遠くなったとよく言われる
 □音はよく聞こえるが、言葉がよく聞き取れない
 □子供の場合、テレビをみている時のボリュームが大きかったり、呼びかけに対する反応が悪くなる
 □風邪をひくとよくみみだれ(耳漏)が出る
 □みみだれに血が混じったり、悪臭がしたりする
 □以前から鼓膜に穴が開いているといわれており、よくみみだれが出るが、最近めまいや頭痛が起るようになった
 □聞こえにくくはないが、風邪をひいた後など耳がつまったような感じがあったり、自分の声が耳にこもって大きく聞こえる
 □めまいの発作がよく起り、発作の時に難聴や耳鳴りも生じる
 □頭をある一定の位置にするとめまいが起る
 □めまい発作の起る頻度が高くなった
●鼻の病気
 □鼻がよく詰まりやすい。 特に常時、片方の鼻が詰まる
 □風邪でもないのにくしゃみがよく出る。 とくに季節の変わり目、春、秋にくしゃみがよく出る
 □鼻がにおう。 またのどに鼻汁が落ちてくる
 □鼻汁にときどき血が混じる
 □最近においがわからなくなってきた
 □言葉がはっきりしない。 また声が鼻にかかったり、ぬけたりする
 □頬がはれたり、頬や頭が重苦しく時に痛みを感じる
 □最近視力が落ちたり、物が二重に見えたりする
 □鼻血がよく出て、とまりにくい
●喉(のど)の病気
 □上あご(口蓋)に異常があり、ミルクなどが鼻から漏れる(乳幼児)
 □舌が前に出ない
 □舌とくに舌縁にできものがあったり、潰瘍がある
 □口の中にできものがあったり、鼻の奥に異物感がある
 □食事の時あごの下がはれて痛みがある
 □よく風邪をひき、年に何度も熱を出す
 □いびきが大きかったり、口で呼吸し、よく中耳炎を起こし、聞こえが悪い
 □肥満気味で、夜息苦しく、何度も目が覚める(とくに子ども)
 □声枯れがつづいている
 □のどの痛み、とくに食物などを飲み込むときに痛みを感じる
 □のどに異物感がある
 □最近体重の減少が続いている
 □首に無痛性のしこりがある
 □食事の後や、異物を飲み込んだ後にのどや胸がつかえたり、嘔吐したりする。 また、息苦しくなったり、喘鳴(ぜいめい)がある

耳・鼻・のどの病気の危険因子

○耳の病気
●年齢
 □50歳以上(難聴・腫瘍)
●他の疾患(すでにかかっている病気)
 □糖尿病、高脂血症
 □高血圧や低血圧
 □慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎
 □アデノイド増殖症や扁桃炎(子ども)
●遺伝・既往症・体質
 □血縁者に子どもの頃から難聴の人がいる
 □子供の頃からよく中耳炎を繰り返している
 □結核などでストレプトマイシンやカナマイシンなどの抗生物質の治療を受けたことがある
 □頭や首に大きな怪我をしたことがある
 □神経質で疲れやすい
●生活環境・習慣
 □住居や職場が騒音のひどいところにある
 □不規則な生活を送っている
 □油っこい食事が好きである
 □習慣的な飲酒や喫煙を行っている
 □家庭や職場などでストレスが多い
○鼻・のどの病気
●年齢
 □30歳以上(腫瘍性疾患)
 □炎症性疾患は年齢によりさまざま
●他の疾患(すでにかかっている病気)
 □喘息、アトピー性疾患などのアレルギー性疾患
 □他の腫瘍性疾患
 □甲状腺、食道、肺の疾患、気管支拡張症
 □肝臓、高血圧の疾患
 □腎臓などの疾患
●遺伝・既往症・体質
 □いままでにアレルギー素因を指摘されたことがある
 □尿に蛋白が出たり、関節や心臓の異常を指摘されたことがある
 □特定の場所で鼻症状が出る
 □以前に蓄膿症など鼻の手術を受けたことがある
 □家族に扁桃、アデノイド、口腔内の形成外科手術をした人がいる
 □家族・血縁者にアレルギー性疾患、悪性腫瘍の患者がいる
●生活環境・習慣
 □住居、職場などがほこりっぽい
 □家庭でペットを飼っている
 □最近転地あるいは転居をしたり、寝具類や庭の花木を替えた
 □習慣的な飲酒や喫煙を行っている
 □よく声を使う職業や趣味がある(成人)
 □よく大声を出す(子供)

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耳の主な病気の症状

急性中耳炎

○原因
 細菌が鼻咽頭から耳管を通って中耳に感染することによるもので、幼少児がかかりやすく、かぜ、鼻炎、咽頭炎の経過中に発生することが多い ようです。
○症状
 耳閉塞感や圧迫感に続いて、耳の奥の強い痛み、発熱や軽度の難聴、耳鳴りを伴うこともあります また経過中に鼓膜が破れると耳漏(みみ だれ)を生じるようになります。 鼓膜は種々の程度に発赤し、中耳に膿汁などの液がたまると一部が膨隆します。

慢性中耳炎

○原因
 中耳の炎症性病変の総称で、一般的には慢性化膿性中耳炎と真珠腫性中耳炎の2つに分類されます。 どちらの場合も鼓膜には穿孔があり、 そこから耳漏の流出がみられます。(真珠腫性中耳炎では特徴的な悪臭を伴うことが多い)
○症状
 難聴はふつう伝音性(空気で伝わる音を聞く力が異常で、骨の振動で音を聞く力が正常な難聴)で、低音性の耳鳴りを伴うこともあります。 通常 痛みはなく、急性炎症が加わると耳漏が増加し、耳痛や頭重感が起ります。 この急性憎悪を繰り返して、炎症が内耳へ波及すると感音性難聴 (空気で伝わる音を聞く力と骨の振動で音を聞く力共に異常な難聴)を併発し、混合性難聴の聴力像を呈するようになります。 慢性化膿性中耳炎 は軽快、憎悪を繰り返すものの生命の危険は少ないのですが、真珠腫中耳炎では真珠腫が周囲の骨を破壊することによるめまい、顔面神経管 への侵襲による顔面神経麻痺、頭蓋内への進展による脳膿瘍や髄膜炎などを併発する頻度が高く、時には生命に危険が及ぶ場合もあります。

突発性難聴

○原因
 ある日、ある時突然高度の難聴(感音性)が発生する病気です。 原因は不明で、突然難聴が生じても原因が明らかにわかっている場合は除き ます。 (明らかな原因があって起こる難聴には先天性感音性難聴(風疹、おたふく、風邪などウイルス感染による)、音響性聴器障害(爆発音、 騒音による)、聴器毒性薬物(ストレプトマイシンなどの抗生物質、抗がん剤などによる)による難聴などがある。)
○症状
 難聴の発生とともに耳鳴りや耳閉塞感、めまい(回転性が多い)も発生することがありますが、めまい発作を繰り返すことはありません。 また ほとんどは片一方の耳に難聴が発生しますが、時には両側に起こります。

メニエル病

○症状
 耳鳴りと難聴とともに、悪心、嘔吐、冷や汗などを伴った激しいめまい発作を繰り返す病気です。 初回発生時は突発性難聴との識別が問題と なりますが、難聴や耳鳴りは発作がおさまると正常に戻ることや、めまい発作が反復して起ることが突発性難聴との違いです。 難聴は感音性で 低音域の聴力が低下し、発作時は激しいめまいに気をとられ、難聴や耳鳴りに気づかず、落ち着いてから気づくこともあります。 このようなめまい 発作を長年の間繰り返していると、発作がおさまっても聴力が戻らず、難聴が次第に悪化していくことがあります。

顔面神経麻痺

○原因
 顔面神経麻痺を起こす病気としては、原因不明のベル麻痺と呼ばれるものや帯状疱疹ウイルスによるラムゼイーハント症候群のほか、真珠腫 性中耳炎、側頭骨骨折、中耳悪性腫瘍、聴神経腫瘍などがあります。
○症状
 顔面神経が障害されると顔の筋肉の運動が麻痺し、眼が閉じにくくなったり、水を飲むと口角から漏れたりするようになります。 障害部位によって は味覚低下、聴覚過敏、眼球乾燥、口内乾燥感なども発生します。

鼻・のどの主な病気の症状

アレルギー性鼻炎

○原因
 ハウスダスト、花粉、カビなどのアレルギーを起こす物質に対する抗体がリンパ球で産生され、鼻粘膜を刺激する化学伝達物質が放出される ことによって起ります。
○症状
 発作性反復性のくしゃみ、水性鼻漏(水ばな)、耳閉(鼻づまり)を3大特徴とする鼻粘膜におけるT型(即時型反応)アレルギー反応、そのほか 目やのどのかゆみも伴います。

副鼻腔炎

○原因
 急性と慢性があり、急性ではウイルス感染を引き金に2次的に細菌感染が加わり、慢性では急性炎症が反復して起り治りにくくなるうえに局所 解剖学的、あるいは全身的な要因も関与します。 また、生活、栄養状態にも影響されます
○症状
 急性では主に片側の鼻閉、膿性鼻汁、頬部の痛み、頭痛、発熱などがあり、慢性では後鼻漏を伴う粘液膿性の鼻汁、鼻閉(鼻茸:はなたけを 伴う場合は強い)、頭痛、頭重感、嗅覚障害、鼻性注意不能などが起ります。
 治療には急性の場合、抗生剤の投与、洞内の穿刺、洗浄を行い、また慢性の場合は、局所的に洗浄、ネブライザーを用いた保存的治療後、 とくに鼻茸を有する場合は積極的に手術療法をします。

扁桃炎

○原因
 主に溶血性連鎖球菌、ブドウ球菌、肺炎球菌などによる化膿性炎症で、急性炎症を繰り返すと慢性化します。
○症状
 急性炎症では発赤・腫ちょう・咽頭痛、発熱などがあります。 慢性炎症では自覚症状はほとんどなく異物感などが主で急性憎悪を繰り返します。
 治療には、急性期では抗生剤などの全身投与を行います。 慢性扁桃炎では病巣感染のもんだいもあり、また扁桃肥大では、呼吸、嚥下機能 障害との関係から積極的に手術療法を行います。

アデノイド増殖症

○原因
 上咽頭にある扁桃組織で咽頭扁桃をアデノイドといいます。 幼小児期では生理的に肥大傾向にあり、鼻、咽頭部の炎症によって肥大が起こり ます。 治療には外科的に切除を行います。
○症状
 鼻閉、睡眠障害、耳管狭窄・滲出性中耳炎併発による伝音性難聴、頻回の中耳炎などを引き起こします。

声帯ポリープ、浮腫性声帯、小児結節(子供)

○原因
 音声酷使により起こります。
○症状
 嗄声、時に呼吸困難があり、治療には主に顕微鏡下に手術を行います。 ただし、小児結節では沈黙療法により軽快します。

咽頭がん

○原因
 9対1の割合で男性に圧倒的に多く、喫煙、飲酒、大気汚染、音声酷使などが原因と考えられています。 早期では放射線治療、顕微鏡手術 で咽頭を温存して治療ができますが、進行すれば咽頭全摘出手術を行う必要があります。 そのほか化学療法なども行います。
○症状
 発生部位別では声門部がんが最も多く、次に声門上部が続き声門下はまれです。 症状として嗄声(かれごえ)がほとんどで、時に血たん、 呼吸困難があり、声門上では異物感、血たん、末期には嗄声、呼吸困難も出現します。 この型は早期にリンパ節転移をきたします。

耳の主な検査方法

純音聴力検査

○目的と内容
 7つの周波数の純音を出すことのできる純音オージオメータを用いて、各周波数における最小可聴閾値を測定し、これを聴力検査図(オージオグラム) に表す検査です。 本検査には音を外耳道から与える気導聴力検査と、音を骨を通して与える骨導聴力検査があります。 主な目的は難聴の 有無、程度、障害部位の診断です。
○具体的な方法(手順)
1.気導聴力検査
 耳にあてたレシーバーから音を聞かせて閾値を求める方法です。
2.骨導聴力検査
 耳後部に特別な振動子をあてて音を与え、骨を振動させることによって直接内耳を刺激する検査です。 したがって外耳や内耳に障害が あっても、骨導閾値は上昇しません。

聴性脳幹反応検査

○目的と内容
 聴力検査は被験者が検査音に対して自発的に起こす応答を調べて聴力を測定するもので、乳幼児や意識障害のある人にはできませんし、 心因性難聴の人などでは正確な検査結果が得られません。 そこで被験者の意思がまったく入らない聴力測定方法(他覚的聴力検査)が いくつか開発されてきました。 その中の一つが聴性脳幹反応検査です。 この検査は音の刺激を与えたときに脳幹部から誘発される神経 活動の電位をコンピュータを使った平均加算機で加算して記録します。

インピーダンス・オージオメトリー

○目的と内容
 中耳の状態を知るための検査です。 中耳は音のエネルギーを内示に伝達する系であり、その伝達に対して抵抗を持っています。 この抵抗が インピーダンスで、インピーダンス・オージオメトリーではこの抵抗の変化をインピーダンス・オージオメータという器械を用いて測定します。 本検査 には、次に示すティンパノメトリーとアブミ骨筋反射の検査があります。
○具体的な方法(手順)
1.ティンパノメトリー
 外耳道の圧力を変化させてインピーダンスを測定し、ティンパノグラムというカーブに描いて、鼓膜の振動しやすさの状態を記録します。
2.アブミ骨筋反射
 外耳道に音刺激を加え、鼓膜でのインピーダンスの変化をインピーダンス・オージオメータを用いて測定します。

 

鼻・のどの主な検査方法

鼻鏡(前鼻鏡・後鼻鏡)検査

○目的と内容
 鼻腔内の中・下甲介、中・下鼻道および上咽頭を観察し、鼻内、上咽頭の病変をチェックするために行う、最も重要な検査です。

X線検査

○目的と内容
 副鼻腔における炎症性疾患、腫瘍性疾患の鑑別や外傷による骨折を含めた疾患に対する外科的治療の適応、手術様式の決定に非常に 重要な検査です。 撮影部位や病変などによって以下のようなさまざまなX線検査法を行います。
1.単純撮影法
 コールドウェル法(前頭洞、篩骨洞の撮影)、ウォータース法(上顎洞、前頭洞の撮影)、側面位(前頭洞、蝶形洞の撮影)
2.CTスキャン
 腫瘍の進展範囲などを知るのには不可欠です。
3.MRI
 質的診断も可能です。
4.多軌道断層撮影法

咽頭・喉頭鏡検査

○目的と内容
 直接咽頭・喉頭に反射鏡を挿入して内部を直視するとともに、生検を行うもので間接喉頭鏡検査と直達鏡検査があります。 加温した喉頭鏡 を口腔内に挿入する際に、嘔吐反射の強い場合は、キシロカイン噴霧、注入による麻酔を行うこともあります。

内視鏡検査

○目的と内容
 内視鏡は深く狭い洞内や管腔の観察にすぐれ、とくに上咽頭、下咽頭、喉頭、頸部食道、副鼻腔などの腫瘍の早期発見や広がりの把握や 適切な部位から生検あるいは異物摘出などに効力を発揮するとともに、近年とくにファイバースコープを用いて微細手術にも利用されています。  内視鏡は主に気管支鏡、食道鏡などの硬性鏡とファイバースコープに分けられます。

顔面神経麻痺の検査

○目的と内容
 顔面神経麻痺の原因、程度、障害部位、予後などを精査します。
1.肉眼的表情運動機能観察(顔面神経麻痺程度評価法)
 安静時の非対称、片目つぶり、イーと歯を見せる、ひたいのしわ寄せ、鼻翼運動、口笛、強弱の開眼、頬をふくらます、口をへの字にまげる。  以上の10種類の表情を0,2,4点の3段階評価し、合計40点満点で採点します。
2.神経興奮性検査(NET)
 前頭部、眼輪筋、口輪筋に経皮的に電気刺激を与え筋収縮域値を測定します。
3.誘発筋電図検査(E−EMG)
 NETに準じて耳下部で顔面神経本幹を刺激し、誘発される筋電図を記録します。
4.流涙検査
 アンモニア液をかがせて両下眼瞼のろ紙のしめりを比較します。

平衡機能検査

○目的と内容
 平衡障害(めまい)の原因、程度、障害部位を明らかにし、治療方針をたてます。 平衡機能検査のほかに問診、X線検査、聴力検査、 血圧・心電図を含めた循環系検査、血液検査、他の神経学的検査などを総合的に判断します。
1.体平衡の検査
・直立検査
 直立姿勢を安定に維持する働きを立ち直り反射といい、この反射に異常がなく安定した姿勢が保持できるか、身体の動揺の程度を観察する検査。
・偏倚検査
 姿勢維持や運動時の一定方向への体のかたよりをみる検査。
2.眼球運動検査
・注視眼振検査
 正面約50cm前方の指標を注視したときの眼振を観察する。
・自発眼振検査
 回視(目を回す)、注視を除いた状態での眼振を観察する。
・頭位・頭位変換眼振検査
 暗所フレンツェル眼鏡下での一定頭位、頭位変換時の眼振を観察する。
・温度眼振検査(カロリックテスト)
 外側半規管機能の検査で、両耳に交互に30℃冷水、44℃温水を外耳より注入し、そのときの眼振を定量する。
・視運動性眼振検査
 眼前を通過する指標を注視しようとするときに生ずる生理的な眼振を観察する。
・指標追跡検査
 約50cm〜1m前方の指標を等速度で振るように動かして追視させ、そのときの眼球運動を記録します。



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