□痰(たん)を伴うせきが多く、何ヶ月も続く
□かぜなどのあとせきやたんが長引きやすく、ときにのどの奥でぜいぜい鳴る
□黄色っぽいたんが一日に何回も出る
□たんに血が混じる。 せきと共に血液状のものが出る
□坂道や階段を上ると、同年代の人に比べて息切れしやすい
□今までできていたスポーツや活動が、最近息苦しさのためできなくなった
□少し動くと息がはずむ
□胸に痛みがあり、深い息をすると痛みが強くなる
□指の爪が丸みを帯びたり指先が太くなる
□微熱が出やすい
□冷たい空気、タバコの煙など少しの刺激でせきが激しくなり止りにくい
□ランニングの後、せきがしばらく止まりにくいことがある
●他の疾患(すでにかかっている病気)
□ちくのう
●遺伝・既往症・体質
□小児喘息にかかたことがある
□小児期に肺炎、百日咳などの重い呼吸器感染症にかかったことがある
□家族・親戚に喘息の人がいる
●生活環境・習慣
□1日平均20本以上のたばこを20年以上吸っている
□ほこりっぽい場所で長年働いたことがある
□刺激ガスや揮発性の臭気に常時さらされていたことがある
□石綿(アスベスト)を長年にわたり取り扱ったことがある
□大気汚染地区に長年住んでいる
○原因
気管支喘息は室内のちり、花粉などのアレルギーの原因となる物質を吸入するためばかりではなく、気管支の感染、気温の変化、大気汚染、
運動などによって気管支が反応を起こし内腔が著しく狭くなって起ります。 これは、気管支粘膜にあるマスト細胞が種々の刺激により細胞膜に
変化がおこり、ヒスタミン、ロイコトリエンなどを放出し、それによって
1.気管支の平滑筋が収縮する。
2.気管支腺からの分泌が高まる。
3.気管支粘膜の浮腫、炎症細胞浸潤が起き、その結果気管支の内腔が狭まる
となるためです。
○症状
症状は短時間のうちにせきやゼーゼー、ヒューヒューといった音を伴って呼吸困難が起り、息をするのに努力を要したり窒息感をきたしたりします。
このような症状(発作)は自然に収まったり、薬の使用によってまったく無症状になるといった特徴を持っています。 発作は夜間から早朝にかけて
しばしば起ります。 成人の場合は、慢性気管支炎や肺気腫を合併しやすく、喘息症状が慢性、持続性になりやすくなります。
治療は対症療法として気管支拡張薬療法が中心で、薬剤としては交感神経β受容体刺激薬(アロテック、ベネトリン、メプチン、スピロペントなど)
、テオフィリン系薬、抗コリン系薬(吸入のみ)、ステロイド薬(ブレドニンなど。ただし副作用を起こしやすい)に大別されます。 いずれも気管支
平滑筋のれん縮(筋肉が急に縮んでもどること)を取り除き気管支の内腔を広げ、たんの切れをよくし発作を改善させるものです。 喘息予防薬
として併用されるインタール吸入は、前述のマスト細胞を壊れにくくして発作を予防します。 このほか、内服の予防薬もあります。
原因療法としては、明らかなアレルゲンのある場合はそれを取り除くようにします。 室内のちりもできるだけ取り除き、ペットなどは室内で飼わない
ようにします。 アレルゲンがどうしても避けられない場合は、アレルゲンに対する抵抗力をつけていく目的で減感作療法を行います。
○原因
肺がんは最近日本で著しく増加しており年間約3万人の死亡があります。 肺がんは早期診断が難しく、診断された時にはかなり進行しており、
手術による完治率が低いことが死亡率を高める原因となっています。
肺がんは50歳以上に発生しやすく、約3対1で男性に多くみられます。 長期の喫煙歴のある人により高い発病率が見られ、明らかに
喫煙が危険因子になっています。
○症状
肺がんはその組織型により、扁平上皮がん、腺がん、小細胞がん、大細胞がんの4つの型に大別されます。 扁平上皮がんは喫煙との関係が
深く、比較的太い気管支に発生し、せき、たん、とくに血痰が初期症状としてよくみられます。 一方、腺がんは肺の末梢に発生するため初期には
自覚症状が出にくく胸部X線をとって初めて発見されることが少なくありません。 転移も早期に起る場合もあり、一般に扁平上皮がんより予後が
よくないといわれています。 肺がんの約80%は上記2つのがんで占められています。
肺がんの根治は、できるだけ早期に発見して外科的に切除することです。 放射線治療も病巣が比較的限定している場合は有効ですが、外科
的な根治手術に間に合う早期発見がしばしば困難で、転移を起こしているような場合には、内科的治療として抗がん化学療法が必要になります。
小細胞がんは化学療法に対して反応しやすく延命効果もあることが知られています。
○目的と内容
胸部のX線検査には胸部単純X線撮影、断層撮影、胸部CT撮影、気管支造影、肺血管造影などがあります。
肺は空気を含んだ臓器なのでX線がよく透過するため、ネガの写真では黒っぽく写ります。 胸部のほぼ中央から左にかけて血液を含んだ心臓や
大血管など空気を含まない臓器では白っぽく写ります。 最も広く行われている胸部単純X線所見では肺野に病変が起ると、たとえば結核や肺炎
などは黒い肺野に白っぽい浸潤像がみられ、腫瘍のような実質性のものができると異常陰影として検出できます。 そのほか、肺の間質性病変(
肺繊維症、じん肺など)では特徴的な異常陰影が見られます。 また、肺門リンパ腫大、胸水貯留などがわかり、このほかにも多くの情報がもたらし
てくれます。
最近は胸部CTが普及して肺および胸膜病変、縦隔洞(心臓を含めた胸部の中央に位置する部分)の病変の画像診断が飛躍的に進歩しました。
○目的と内容
胸膜腔に液体が貯留したものを胸水と呼びます。 胸水は結核性や肺炎に伴う炎症やがんの浸潤などいくつかの原因で貯留してきます。 その
原因を調べるために胸膜穿刺を行い胸水の一部を採取し、外観の観察、細菌検査、生化学的検査、細胞診などを行い正しい診断をします。
●細菌検査
胸水中の一般細菌および結核菌の塗沫、培養を行います。
●生化学的検査
蛋白含量を測り濾出液か浸出液かの見当をつけます。 胸水中のLDH(乳酸脱水素酵素)、CEA(がん胎児性抗原)、ADA(アデノシンデアミナーゼ)
などの活性を測定し、炎症性か悪性の胸水かの補助診断に用います。
●細胞診
胸水を遠心沈殿して細胞を塗沫染色して白血球の細胞分類を行ったり、悪性細胞の有無を調べます。 パパニコロー染色によりがん細胞の検出も
行います。
○目的と内容
これは肺の血管系の異常を調べるため行う核医学的検査です。 テクネシウム-99m(半減期は6時間で被爆の問題はまずない)という
アイソトープを大凝集人アルブミン(人のアルブミン分子を結合させて球状にしたもの)と結合させたものを用いて、これを静脈注射することにより
行います。 これは直径約30ミクロンの微粒子でこれが静脈から心臓に還り肺動脈血流に乗って肺に散布され肺毛細血管に引っかかります。
テクネシウム-99mからの放射線を体外からガンマカメラで撮影すると、たとえば肺塞栓のように肺の血管の一部が詰まるとそこの血流が
止まるため、ガンマカメラでとらえた血管像に欠損像が検出されます。 このように本検査では放射線を利用した検査で、肺血管造影法に
比べて被験者にあまり負担をかけずに行える利点があります。
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