血液の病気の前兆&病院の検査ガイド

血液の病気の前兆(兆候・予兆・サイン)

●赤血球系の病気  □いつも顔色が悪く、手足が冷たい
 □めまい、立ちくらみ、動悸がする
 □疲れやすく、手足がしびれる
 □胃の調子がいつも悪い
 □痔からの出血や生理出血が多い
 □つめが薄くなりそりあがってきた
 □舌が荒れ、口角炎がよく出る
●白血球系の病気  □熱が出たり、痛み、はれなどがある
 □最近、原因不明の貧血がひどくなってきた
 □最近、皮下に点状の出血や歯ぐきからの出血がよくあるようになった
 □最近、のどの奥や首、太ももの付け根などのリンパ節が、痛みもないまま大きくなってきた
 □微熱や寝汗があり、だるさが強い
 □ちょっとしたきっかけで骨折した
 □貧血と腰痛がひどくなった
●血小板の病気  □鼻血や歯ぐきからの出血がよくあり、血尿が出た
 □皮膚に針でついたような赤い斑点(出血斑)が多くみられる
 □生理出血やけが、採血での出血が止まりにくい
●血液凝固因子の病気  □関節内や筋肉内に出血したことがある
 □外傷、抜歯、手術などの後、血が止まりにくい
 □皮下に出血することはあまりないが、いったんすると紫色の大きなあざのようになって広がる

血液の病気の危険因子

貧血
●年齢
 □思春期女性、中年期以降の男性・女性
●他の疾患(すでにかかっている病気)
 □胃炎、胃潰瘍
 □子宮筋腫、腎臓病、寄生虫症、結核
●遺伝・既往症・体質
 □家族・親族に貧血の人がいる
 □過多月経や不正出血がある
●生活環境・習慣
 □食事が不規則で好き嫌いが激しい
 □妊娠しているか、または授乳中である
白血病
●他の疾患(すでにかかっている病気)
 □慢性および難治性の血液疾患
●遺伝・既往症・体質
 □白血球数が多い、あるいは少ないといわれた
●生活環境・習慣
 □放射線を扱う作業に従事したことがある
骨髄腫
●遺伝・既往症・体質
 □医師にγ−グロブリンが異常に多い、赤沈(血沈)が異常に速いといわれたことがある
血小板減少症
●遺伝・既往症・体質
 □最近、アスピリンなどの鎮静剤を続けて飲んでいる
血友病
●遺伝・既往症・体質
 □家族・親族に血友病の人がいる

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主な病気の症状

貧血

○原因
 貧血とは、末梢血液の赤血球の数が減少するか、赤血球の内にあって酸素を運搬する作用のある血色素(ヘモグロビン)が不足し、末梢組織 に酸素が十分に供給されずに起ります。 日本人の場合、血色素をつくる材料となる鉄の不足によることが多く、また時には造血ビタミンである ビタミンB12や葉酸の不足で貧血が生じます。 自分の血管内で血液が溶け出す溶血性貧血と呼ばれるものもまれにみられます。 このように 血液自身の異常によって起るもののほかに、腎臓病か肝臓病、重症の感染、また胃潰瘍や胃がん、痔などが原因で生ずる貧血(二次性貧血) もあります。 このようなことから貧血の診断には、何か原因疾患はないか、貧血のタイプはどのようなものかをまず決定する必要があります。
●貧血の種類
・正球性正色素性貧血 : 腎性貧血、急性失血、溶血性貧血、再生不良性貧血
・小球性低色素性貧血 : 鉄欠乏性貧血、サラセミア
・大球性貧血      : 悪性貧血
○症状
 ふらつき、めまい、四肢の冷感、顔色が青くなるなどの症状や、時に神経炎の症状をみます。

白血病

○原因
 白血球が不可逆的に系統的に増殖する疾患を白血病と呼びます。 このなかには幼若で病的な細胞(芽球)が急速に増殖して急性の症状と 経過を示す急性白血病と、すべての成熟段階ないしかなり成熟した細胞が増殖し、穏やかな症状でゆっくりした経過をとる慢性白血病に大別 されます。 さらにその増殖する細胞の種類によりいくつかの種類に区別されます。
●急性白血病
・L型 急性リンパ性白血病
・M型 急性骨髄球性白血病
    急性前骨髄性白血病
    急性単球性白血病
    急性赤白血病
●慢性白血病
    慢性骨髄性白血病
    慢性リンパ性白血病
○症状
 急性白血病の場合、貧血、出血、発熱がみられ、血液検査で白血球数が数万から数十万に増加し、その増加した細胞が骨髄芽球、前骨髄球 、単芽球あるいはリンパ芽球で占められ赤血球数減少、血小板数減少などがみられます。 この場合、本当に白血病なのか、あるいはがんや 慢性炎症に続いて反応性に白血病様になったのか(二類白血病)を決定すために、骨髄内血液の検査や、身体各所にある潜在的な疾病の発見 につとめ、最終的に白血病と診断されます。 急性白血病、とくに子どもの白血病は化学療法と呼ばれる内科的治療で治癒し、青年期の白血病 では骨髄移植で治癒することが多くなってきています。
 慢性白血病は本人はほとんど無症状で経過しますが、発見される時は腹部に巨大な脾腫が見出されます。 また人により微熱、体重減少、 全身倦怠、貧血があり、肝臓のはれがみられます。 血液検査では急性の場合と同様数万から数十万の白血球数の増加をみますが、その細胞 構成は芽球でなく骨髄球で占められ、このため骨髄性白血病と診断されます。 インターフェロン療法が有効です。 他方、リンパ腺がはれ、巨脾 がなく、白血球数が増加し、その細胞が成熟リンパ球の場合、リンパ性白血病と診断されます。

悪性リンパ腫

○原因
 リンパ節やリンパ細網組織を形成する細胞が増殖し、腫瘤を形成したものを悪性リンパ腫といいます。 このなかにはリード・ステルリンベルグ細胞や ホジキン細胞と呼ばれるものがたくさんみられる炎症に似たリンパ腺腫であるホジキン病と、リンパ球が分化し腫瘍化した非ホジキンリンパ腫の2つに 大別されます。 わが国に多いのは後者の非ホジキンリンパ腫です。
○症状
 無痛性のリンパ腺腫が主な症状ですが、腹部、たとえば腸管などに発生したときには消化器の異常から来る症状が見られます。 一般にホジキン 病は微熱、発汗、体重減少などが強く、単在性のリンパ腫がみられますが、非ホジキンリンパ腫の場合、全身反応は弱く、多発性の腫瘤がみられ ます。 経過や予後は後者の方が不良です。 確定診断はリンパ節の生検による病理学的診断で決定され、治療は限局的な場合は放射線治療 法、広がりの大きな時には化学療法、すなわち内科的に治療が行われます。

骨髄腫

○原因
 ヒトの免疫グロブリンはIgG、IgA、IgM、IgDなどで、リンパ球の中のB細胞がこれらのグロブリンの産生にあたります。 骨髄腫とは骨髄の中で Bリンパ球が異常に増殖し、ひとつの免疫グロブリン、たとえばIgGとかIgAを多量に産出し続ける病気です。
○症状
 本病は骨髄の中にB細胞の分化型である形質細胞が徐々に腫瘍性増殖してくるもので、このため骨が破壊され、時に病的骨折を引き起こし、 しばしば神経痛がみられます。 異常細胞からの多量の免疫γグロブリンは、血液をドロドロにし、腎臓をおかしていきます。 症状の進行とともに 貧血も強くなってきます。 診断は生化学的に単クローン性蛋白(M蛋白)を証明すること、骨髄検査で骨髄腫細胞を証明することで、治療は 代謝拮抗剤やアルキル化剤のような抗腫瘍剤やインターフェロンを用いて行われます。

血小板減少症

○原因
 この病名から明らかなように、抹消血中に血小板が減少し出血しやすくなった状態です。 通常は末梢血中血小板数が10万/μlを割ると出血 が始まります。 この原因としては、薬剤や他の病気による場合と原因不明で抗血小板抗体の検査でわかる特発性の場合とがあります。
○症状
 いずれの場合にしても出血の型は同じで、皮下出血、鼻血、血尿、性器出血などがみられます。 急性出血時には血小板輸血が有効で、 慢性免疫性のタイプに対してステロイド剤や高濃度γ−グロブリン、脾臓の外科的摘除などが治療として行われます。

血友病

○原因
 最もよくみられるのは凝固因子(血管外に出た血液の凝固に作用する蛋白質で人体には13の凝固因子がある)の第8あるいは第9因子が 遺伝的、先天的に欠乏している場合で、それぞれ血友病AおよびBと呼ばれます。 いずれも伴性遺伝でまれな場合を除いて通常は男性に 発症します。
○症状
 外出血として鼻、口、抜歯後、消化管、泌尿器、皮膚外傷部、内出血としては皮下、粘膜下、筋肉内、臓器内、関節内などから出血します。 この出血が関節内で繰り返されると関節に変形が生じてきます。 治療は欠乏した血流凝固因子の補充で新鮮血、新鮮血漿、第8因子や 第9因子の濃縮製剤遺伝子組み換え型製剤などがよく用いられます。

主な検査方法

一般検血

○目的と内容
 一般検血とは抗凝固剤の入った採血びんに採った静脈血を自動血球計測器を用いて、
1.赤血球数
2.血色素量(ヘモグロビン)
3.血球容積(ヘマトクリット)
4.平均赤血球容積(MCV)
5.平均赤血球血色素量(MCH)
6.平均赤血球血色素濃度(MCHC)
7.白血球数
8.血小板数
の項目を検査します。

血液像検査

○目的と内容
 一般検血では白血球数の増減はわかりますが、どのような種類の白血球が増えているのかは不明です。 これを検査するのが血液像検査です。  白血球のタイプ分け、すなわちL型かM型か、急性か慢性かを決定するときに、最も大切な検査です。

赤血球沈降速度(赤沈)

○目的と内容
 白血球増加をみるような急性の炎症の時には、赤血球沈降速度(赤沈・血沈)は非常に速く沈降しますので、炎症の強さの目安となります。  この検査はスクリーニング検査として有効です。

骨髄血の検査

○目的と内容
 血液は骨髄とくに扁平骨の髄内でつくられ末梢に送られます。 そこで原因のはっきりしない血液疾患では骨にドリルで小さな穴をあけ、この中の 血液(骨髄血)を採り、観察、分析する必要があります。 この検査を骨髄穿刺検査と呼びます。 これは血液の病変やその程度を明確に診断 するために有効な方法で、白血球の診断や治療効果の判定には不可欠な検査です。
 ほかに骨髄組織の一部を取り出して病理学的に調べる方法も行われることがあり、これは骨髄生検と呼ばれます。

特殊染色検査

○目的と内容
 ペルオキシダーゼ染色、エステラーゼ染色、PAS染色、SBB染色など数多くのものがありますが、最も重視されるのがペルオキシダーゼ染色 です。 この検査により白血病がL型かM型か、そしてどのような薬剤が有効かを決定します。 末梢血か骨髄血を用いて行います。

染色体検査

○目的と内容
 男性の染色体は22対の常染色体とX・Y染色体、女性の染色体は22対の常染色体と2本のX染色体で構成されます。 白血病の場合、 常染色体の一部が異常になっていることが多く、これが本病の発症の原因とも考えられています。 なかでもフィラデルフィア染色体検査は 慢性骨髄性白血病の診断の決め手になるので重視されています。 検査は特殊染色の場合と同様、末梢血か骨髄血を用いて行われます。



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